【分析】テーラーメイド M3 440 (2018)

 

テーラーメイド M3 440 (2018年モデル) のクラブ特性を物理学的に数値データで分析しています。数値とグラフを見れば、このドライバーがあなたにマッチするかどうか一目瞭然です。ぜひ、理想のドライバー選びにお役立てください。

 

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弾道の高さの分析

弾道の高さは、ドライバーの飛距離に大きな影響を与えますので、適切なロフト角のクラブを選びたいですよね。物理学的には、弾道の高さはリアルロフトと重心深度の組み合わせで決まります。

☞「リアルロフト」って何?ソールに書かれている数字のこと?(ClickでOpen)

☞重心深度が深いとどうして弾道が高くなるの?(ClickでOpen)

 

ロフト角の数値

表示ロフト 9度
リアルタイム 9.1度
表示ロフトとの差 +0.1度
分類 3.リアルロフトはほぼ表示通り
ラインナップ 9度、10度(可変)
解説 リアルロフトは表示ロフトに対して+0.1度です。ほぼ表示ロフト角なりの高さの弾道になります。

 

重心深度の数値

重心深度 36mm
市場平均 38mm
市場平均との差 -2.0mm
分類 2.やや浅め
解説 重心深度は市場平均に対して-2.0mmです。やや浅めですね。弾道がやや低めになります。

 

弾道の高さは?

 

弾道の高さの解説

重心深度がやや浅めなので、球が上がりにくいです。ヘッドスピードが遅めの方は、球が上がらずに飛距離を損します。別のクラブを探した方がいいです。

ヘッドスピードに自信のある方、このクラブを強くお薦めします。叩いても吹き上がることなく、遠くまで飛ぶと思います。ヘッドスピードが42m/s ぐらいの方なら、表示ロフト10°をお薦めします。ヘッドスピードが45m/s を超すようなハードヒッターの方には9°をお薦めします。後述しますが、飛距離性能が高いので、凄く遠くまで飛ぶと思います。

それに、重心深度が浅いと言うことは、操作性が良いと言うことです。コースレイアウトに応じて、左にも右にも曲げたいというような上級者にも凄くお薦めです。

 

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球の捕まりの分析

「球の捕まりが良い」とは「球が右に飛び難くなる」ということです。「球の捕まりが悪い」とは「球が左に飛び難くなる」ということです。右にミスしやすい方は捕まりの良いクラブ、左にミスしやすい方は捕まりの悪いクラブを選べば、OBが激減すること間違いなしです。

物理学的には、球の捕まりは重心角とネット軸回り慣性モーメント(NOMI)の組み合わせで決まります。ネット軸回り慣性モーメント(NOMI)の数値は、ヘッド重量に比例し、重心距離の2乗に比例します。

☞重心角が大きいとどうして球の捕まりが良くなるの?(ClickでOpen)

☞重心距離が長いとどうして球の捕まりが悪くなるの?(ClickでOpen)

 

重心角の数値

重心角 23度
市場平均 23度
市場平均との差 ±0.0度
分類 3.平均的
解説 重心角は市場平均に対して±0.0度です。平均的と言って良いでしょう。

 

重心距離の数値

重心距離 40mm
市場平均 39mm
市場平均との差 +1.0mm
分類 3.平均的
解説 重心距離は市場平均に対して+1.0mmです。平均的と言って良いでしょう。

 

ヘッド重量の数値

ヘッド重量 203g
市場平均 198g
市場平均との差 +5g
分類 4.やや重め
解説 ヘッド重量は市場平均に対して+5gです。やや重めですね。その分だけNMOIが大きくなるので、球の捕まりが少し悪くなります。

 

ネック軸回り慣性モーメント(NMOI)の数値

ネック軸回り慣性モーメント(NMOI) 10222gcm^2
市場平均 9477gcm^2
市場平均との差 +745gcm^2
分類 4.やや大きめ
解説 球の捕まりを左右するNMOIの数値はやや大きめです。球の捕まりが少し悪くなります。

 

球の捕まりは?

 

球の捕まりの解説

グラフを見るとほんの少し捕まりが悪い方に入っていますが、これはほぼ平均的と言って差し支えないと思います。重心角も重心距離も平均的で、奇をてらうことなく基本に忠実にクラブを設計している感じがして、好感が持てますよね。オーソドックスな球の捕まりなので、ドローヒッター、フェードヒッター、どちらにもお薦めできます。もちろん、インサイドインのスイングで真っすぐを極めたい方にもお薦めします。

 

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指向性の分析

ドライバーは、「飛距離重視型」と「安定性重視型」に大別されます。低重心で有効打点距離が長ければ「飛距離重視型」、ヘッド慣性モーメント(MOI)が大きければ「安定性重視型」です。当サイトでは、これを「指向性」と呼ぶことにします。

大変残念なことに、物理学的に「低重心」と「大きいMOI」は両立しません。低重心にしようとするとMOIが小さくなってしまい、MOIを大きくしようとすると重心が高くなってしまうのです。どちらを重視するか、迷うところですよね。

☞低重心だと飛ぶのはなぜ?(ClickでOpen)

☞MOIが大きいとどうして球が安定するの?(ClickでOpen)

 

ヘッドの高さの数値

ヘッドの高さ 53mm
市場平均 54mm
市場平均との差 -1.0mm
分類 3.平均的
解説 ヘッドの高さは市場平均に対して-1.0mmです。平均的と言って良いでしょう。

 

重心の高さと有効打点距離の数値

重心高さ 29mm
市場平均 31mm
市場平均との差 -2.0mm
分類 2.やや低重心
低重心率 55%
市場平均 58%
市場平均との差 -3%
分類 2.やや低重心
有効打点距離 24mm
市場平均 23mm
市場平均との差 +1.0mm
市場平均との差 3.平均的
解説 重心は市場平均よりも低めですね。飛距離性能を意識したクラブだと思います。

 

ヘッド体積の数値

体積 444cc
市場平均 450cc
市場平均との差 -6cc
市場平均との差 3.平均的
解説 ヘッド体積は市場平均に対して-6ccです。平均的と言って良いでしょう。

 

ヘッド慣性モーメント(MOI)の数値

慣性モーメント(MOI) 3990gcm^2
市場平均 4288gcm^2
市場平均との差 -298gcm^2
分類 3.平均的
解説 オフセンターヒットに対する寛容さを左右するMOIは、平均的と言って良いでしょう。

 

指向性は?

 

指向性の解説

グラフを見ると黄色の「バランス型」の所にプロットされていますが、これは飛距離重視型と言って、差支えないと思います。重心が少し低めであることから、飛距離を重視していることが分かります。その分、MOIは少し小さめなので、打点のぶれに対しては、少しシビアです。このクラブのターゲットは、明白に、ヘッドスピード速めの中上級ゴルファーです。お助け機能は付いていません。

アベレージゴルファーにとっては「いかにしてダボを出さないか」が重要なので、飛距離はさほど重要ではないと私は思っています。しかし、このクラブを使う方は「ティーショットで遠くまで運んで二打目をショートアイアンで打ちたい」、「あわよくばバーディーを狙いたい」というタイプのゴルファーだと思います。と言うか、そういうタイプのゴルファーに、このクラブを使って欲しいです!

 

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アイアンとのマッチングの分析

クラブの振り易さは、総重量と長さで決まります。重いクラブより軽いクラブの方が振り易く、長いクラブより短いクラブの方が振り易いですよね。

アイアンはモデルによって総重量がかなり違います。5番が430gの重いアイアンもあれば、370gの軽いアイアンもあります。重いものと軽いものでは、振り易さが全く別物ですよね。アイアンの振り易さとドライバーの振り易さが、感覚的に似通っていれば、ゴルフをするのが凄く楽になります。

しかし、ここで問題が浮上します。例えば、5番が400gのアイアンを使っていたとします。では、それと振り易さが似通ってくるドライバーというのは、いったい何グラムで何インチなのか?ということです。下にグラフ化してありますので、ご参考になさってください。

☞クラブの総重量についての記事はここをClick

☞クラブの長さについての記事はここをClick

 

クラブの総重量の数値

クラブ総重量 309g
市場平均 298g
市場平均との差 +11g
分類 4.やや重め

 

クラブの長さの数値

クラブの長さ 45.5inch
市場平均 45.5inch
市場平均との差 ±0.00inch
分類 3.平均的

 

体感重量は?

 

アイアンとのマッチングの解説

総重量が、かなり重いですね。Dyamic Goldなどの重いシャフトがついたアイアンを使っている方にドンピシャの重さです。シャフト重量がおそらく重めです。更にヘッド重量が、平均よりも5gも重いです。

個人的な好みを申し上げて恐縮ですが、私は重いヘッドは好きですね。運動量保存の法則で、同じヘッドスピードなら、重いヘッドの方が飛びます。

それから、私は長すぎるクラブはあまり好きではないです。ツアープロも総じてクラブ長は短めです。短めのクラブが好きな方にとっては、ヘッドが重いということが凄く重要なんですよね。リシャフトの時もクラブ長を短めに調整することができます。

 

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総評

このクラブは明確にアスリートゴルファーをターゲットにして設計されています。ゴルフを「ただの娯楽」ではなく、「自分に打ち勝つためのスポーツ」と考えている方に、このクラブをぜひ使って欲しいです。

以下がアスリートゴルファーにとって魅力的だと思われるポイントです。

  • 浅い重心距離により、球が吹き上がらないので、ハードヒッターの方でも思い切り叩いていける
  • 浅い重心距離により、操作性がよい。右にも左にも曲げられる。
  • 球の捕まりの要素がオーソドックスなので、ドローヒッター、フェードヒッター、どちらにも合う。
  • 重心がやや低めなので、飛距離性能が高めである。
  • Dynamic Goldなど、重くてハードなシャフトが挿してあるアイアンと相性が良い。
  • MOI的には、決してやさしいクラブではないので、挑戦意欲を掻き立てられる。

以下のような方は、この別のクラブを探した方がいいです。

  • 初級者・中上級者問わず、ヘッドスピードがあまり速くない方。
  • やさしいクラブを求めている方。
  • 重くないシャフトが挿してあるアイアンを使っている方(例えばN.S.Pro950GHなどの軽量スチールなど)

 

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